中途入社の化物
中途入社ではいってきたマツコ・デラックス並のSさん。けっこうなおばはんである。最初はくそみたいなやつだと思っていたが、よくよく考えると僕や会社にも責任があると分かった。
Sさんのお陰で、世界が広がった。こんなに話のできないやつがいるとは。でも、それはこいつが自分の世界が固まりすぎているので、外側が見えていない。私は逆に宇宙の中の人間として広い視点でものを見ているので、こうしたルールや慣習の強い場所では話が遅くなるかもしれないが、そこは自覚しているので合わすことはできる。しかし、こいつは一度客観的にみて、この世界観をほぐすということができない。
基本的に、世界中の多数の人間はSと同じく、狭い価値観で物事をみて、その外側をみないで判断して生きている。そういうやつに外側の世界を教えることはむずかしい。
Sは学歴も地頭のよさもないので、これまで生産現場でずっと経歴を積んだ。生産管理などもおこなっていたが、それはすべて一挙一動マニュアル化されている労働力の管理で、自らもそういう対象である。そこでの規範というのは、もちろん他者と違う行動はゆるさない均一化された歯車が良しとされる世界だ。1分でも遅刻したらダメな歯車として罵倒され、全体の士気が上がる。そういう融通のきかない世界なのである。こういうところに長くいると、そりゃあ自分で考える能力や、不確定要素の強い環境でストレス溜まるだろう。
このおばちゃんを育て、会社や彼女にとってプラスになるようにしたい。